100年の歴史を誇る眼鏡産地の福井・鯖江地域の衰退が著しい。ピーク時の2000年の出荷額1,239億円に比べて、2005年には766億円にまで減少し、5年間でほぼ3分の2以下に落ち込んだ。眼鏡関連の大型倒産も相次ぎ、2006年の負債額は約120億円に達している。企業数も減少する一方で、企業数の減少がこのまま進むと、企業間分業によって支えられてきた産地の生産体制そのものが崩壊しかねないような状況である。
一方、イタリアの眼鏡産地ベッルーノ(Belluno)地域は、有名ファッションブランドの獲得とグローバルな販売網を持つ大企業が中心となって世界の眼鏡産業をリードしている。この地域の出荷額は2000年に2,169億円、2005年には2,377億円と、増加傾向にある。日本の福井・鯖江地域とは対照的にイタリアのベッルーノ地域はたいへん元気なのである。
なぜ、日本の福井・鯖江地域はこれまで弱くなり、イタリアのベッルーノ地域は堅調なのか。この両地域の明暗を分けた要因は何だろうか。
以上のような問題意識のもと、ユンゼミの大学院M2生(加藤さん)、OBメンバーの白井さん、松本先生(法政大学)とともに福井・鯖江地域とイタリア・ベッルーノ地域の現地調査を実施した。
*現地調査
・福井・鯖江地域 2006年〜2007年
・イタリア・ベッルーノ地域 2007年2月
[福井県眼鏡協会]